第6回配信 オーディオドラマ「十勝岳を仰ぐ町・復興への軌跡」『泥流地帯』『続泥流地帯』

三浦綾子記念文学館 開館20周年記念事業・上富良野町連携事業
オーディオドラマ(ラジオドラマ)配信(全11回)
2019年1月12日午後0時40分

第6回配信
演目・「十勝岳を仰ぐ町・復興への軌跡」
原作・三浦綾子『泥流地帯』『続泥流地帯』
脚本・難波真実(三浦綾子記念文学館)
演出・中辻明(朗読劇団くるみの樹 副団長)
出演・朗読劇団くるみの樹
上演・2018年7月21日(会場・三浦綾子記念文学館1階ホール)

【あらすじ】「十勝岳を仰ぐ町・復興への軌跡」
北海道上富良野の開拓農家の兄弟、石村拓一と耕作は幼くして父を喪い、髪結いの修行に行った母と離れて、祖父母姉妹と暮らしていた。拓一は、父親の借金のために深雪楼に身売りさせられた曽山福子への愛を胸に農民として逞しく成長し、弟の耕作は貧しさのために中学への進学をあきらめ小学校の代用教員になる。しかし大正15年5月24日、十勝岳の大爆発によって発生した泥流はふもとの村を襲い、すべてを飲み込んで祖父母や姉妹らの命も奪う。「まじめに生きてもこんなむごたらしい死に方をするなら生きることは馬鹿くさいではないか」と問う耕作に、拓一は、「おれはな耕作、あのまま泥流の中でおれが死んだとしても、馬鹿臭かったとは思わんぞ。もう一度生まれ変ったとしても、おれはやっぱりまじめに生きるつもりだぞ」と答える。
被災後石村家は最も被害の大きかった稲作地帯に転居する。田を埋め尽くした硫黄を含む大量の泥と流木、復興反対派の暗躍に復興は困難を極めるが、帰郷した母佐枝の祈りにも支えられ、拓一は吉田貞次郎村長らと共に復興に尽力する。他方泥流で教え子を喪った耕作は苦難の意味を見いだせず苦しむが、なつかしいものが子供たちの心を支えるのだと気づいてゆく。

【構成】「十勝岳を仰ぐ町・復興への軌跡」
〔第1部〕 『泥流地帯』
1 オープニング
2 耕作、中学をあきらめる
3 菊川先生の結婚祝い
4 福子の身売り
5 節子との再会、福子の哀しみ
6 坂森五郎の綴り方
7 節子からの告白
8 大津波が襲った
9 死と、命と
10 家族との別れ

〔第2部〕 『続泥流地帯』
11 まじめに生きてて、なぜこんな目に
12 燃える土と生きていく
13 苦難の意味を受け止める
14 これがお前たちのふるさとだ
15 エンディング

【キャスト】
ナレーター・加藤キヨ
石村拓一・室谷宣久
石村耕作・中辻明
曾山福子・村椿洋子
深城節子・太田みどり
石村富・富樫育代
石村佐枝・中村治代
石村市三郎・山崎健一
石村修平・浜忠孝
武井隆司・三浦隆一
武井シン・山谷京子
曾山巻造・三浦隆一
曾山国男・近藤弘子
菊川先生・森敏雄
菊川厚子・田中綾
加奈江・工藤和恵
詩の朗読・梁川眞澄
坂森五郎・佐々木信子
花井澄子・山川弘子
豆腐屋のおかみ・山谷京子
ナビゲーター・難波真実

【配信スケジュール】
第1回 12月1日(土)「十勝岳を仰ぐ町・復興への軌跡」
第2回 12月8日(土)「十勝岳を仰ぐ町・復興への軌跡」
第3回 12月15日(土)「十勝岳を仰ぐ町・復興への軌跡」
第4回 12月22日(土)「十勝岳を仰ぐ町・復興への軌跡」
第5回 1月5日(土)「十勝岳を仰ぐ町・復興への軌跡」
第6回 1月12日(土)「十勝岳を仰ぐ町・復興への軌跡」
第7回 1月19日(土)「いいこと、ありますように」
第8回 1月26日(土)「いいこと、ありますように」
第9回 2月2日(土)「いいこと、ありますように」
第10回 2月9日(土)「いいこと、ありますように」
第11回 2月16日(土)「いいこと、ありますように」

【朗読劇について】
三浦綾子記念文学館は、たくさんのボランティア活動で成り立っていますが、朗読ライブもその一つです。朗読友の会「綾の会」と三浦文学案内人の方々を中心に、2017年度から60回におよぶ公演を重ねてきましたが、2018年度は劇団を結成して取り組むことにしました。
この公演は三浦綾子の小説『泥流地帯』『続泥流地帯』を朗読劇にしたもので、約90分・15場面を総勢19名で演じます。
主人公の拓一・耕作兄弟と、二人の人生を大きく変える福子と節子という4人を軸にして、小学生時代から災害後の復興までを描く青春群像劇。舞台は大正後期の上富良野町。開拓農家の健気な日常に降りかかる苦難を、人々はどのように受け止め、立ち上がっていったのか、きれいごとではすまされない現実とその残酷さをあぶり出しながらも、その先に見える世界を示した物語。稀代のストーリーテラーと呼ばれた三浦綾子ならではの人物描写と展開にぐいぐいと引き込まれていくことでしょう。小説や本は苦手という方にもお楽しみいただけると期待しています。朗読劇で表現する世界をどうぞご堪能ください。

【上富良野高校生による朗読劇について】
北海道上富良野町は、小説『泥流地帯』『続泥流地帯』の舞台。この物語を映画化しようと、2018年1月に「『泥流地帯』映画化を進める会」が設立され、その春に上富良野高校に「映画化応援隊」が結成されました。5名の生徒が朗読劇にチャレンジ。自分たちの町の物語を学び、深めて、映画化を目指して盛り上げていこうという趣旨で活動しています。7月から、町内外で上演を重ね、すっかり“宣伝部隊”としての顔を持つようになりました。メンバーも少しずつ増えて、次の年度に引き継いでいこうと張り切っています。
高校生ならではの熱演をご覧ください。

【構成】「いいこと、ありますように」
1 『泥流地帯』を読んでみる
2 耕作のこと
3 福子の祈り
4 節子の行動
5 拓一の未来
6 いいこと、ありますように

【あらすじ】「いいこと、ありますように」
三浦綾子の小説『泥流地帯』『続泥流地帯』を知るための朗読劇。
教師生活を始めて数年のユカリは、地元の高校に赴任したのをきっかけに、自分なりの総合学習に取り組もうとしていた。地域の歴史をどう知るか、そこに住む人の姿にどう接するかを考えていたとき、友人の紹介で小説『泥流地帯』と『続泥流地帯』を知る。この町が舞台となった物語であることを知ったユカリは、生徒たちとこの本を読んでみようと思い立つ。早速、ソウタ、リョウイチ、カナ、ハジメの4人を集め、読んでもらうことにした。彼らのディスカッションは、ユカリの想像を超えて楽しく豊かなものとなり、ふるさとを捉え直す機会となっていく。

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