みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
三浦綾子読書会 ゆっくり読む『塩狩峠』が1月16日(火)に開催されました。
タイトルのとおり三浦綾子の代表作『塩狩峠』(新潮文庫)を毎回少しずつ読み進める読書会です。
今月は「桜の下」の章を輪読して、感想や意見を交わしました。
講師の森下辰衛(三浦綾子記念文学館特別研究員)から報告が届きましたので、ご紹介いたします。
1月16日午後、文学館本館2階図書コーナーで、ゆっくり読む『塩狩峠』読書会が開催されました。昼間も-10℃に近い寒い日になりましたが、関西から十勝岳連峰の山登りにしばらく来ておられるという方も参加くださって、9人で「桜の下」の章を読み、語り合いました。
母のキリスト教信仰に違和感を感じ、その祈りに合わせて「アーメン」と言う父に裏切られたような感じを抱いて「ヤソなんてやめればよいのに」と言う信夫に、父が「人間にはやめられないものがあるのだよ」キリスト教について教える前半と、級友たちと夜便所にお化けが出るか確かめに集まろうと約束した信夫が、いやいやながら父に言われて約束通りに出かけて吉川修に出会う後半という構成でした。
この前後半は別々に見えて、よく分からない不気味なものでもあるものへの“探究”ということと、“約束”ということで繋がっていることが、語り合いの中で浮き上がって来ました。約束を守った者だけが約束を守った者に出会うことができるという原理、そしてそれが終生の親友吉川であることも含め、作品全体の中でもとても大事な“約束”というテーマが提示される章でした。
次回は2月20日、「かくれんぼ」の章を読みます。(文責 森下)
次回は2月20日(火)13時30分~15時30分に開催予定です。
2月13日(第2火曜日)は振替休館日のため、第3火曜日の開催となります。
『塩狩峠』「かくれんぼ」の章を読み進めてまいります。
詳細は後日改めてお知らせをいたします。
今後の予定表や先月までの報告はこちらをご覧ください。
講師の森下辰衛からのメッセージ“三浦綾子記念文学館で『塩狩峠』をじっく読む楽しみ”や新年に向けたメッセージもあわせてお読みいただければ幸いです。
最新の情報は三浦綾子記念文学館公式サイトでご確認になるか、直接電話・メール・FAXにてお問い合わせをいただければ幸いです。