今年もあとわずかとなりました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
三浦綾子読書会 ゆっくり読む『塩狩峠』が12月12日(火)に開催されました。
タイトルのとおり三浦綾子の代表作『塩狩峠』(新潮文庫)を毎回少しずつ読み進める読書会です。
今月は「母」の章を輪読して、感想や意見を交わしました。
講師の森下辰衛(三浦綾子記念文学館特別研究員)から報告が届きましたので、ご紹介いたします。
12月12日午後、文学館本館2階図書コーナーで、ゆっくり読む『塩狩峠』読書会が開催されました。本格的に冬になって来ましたが、遠く札幌からの方、湧別からの方もおられて、9人で「母」の章を読みました。
信夫がはじめて母菊に会って戸惑いを感じる心と、菊が永野家を出された事情などが明かされる部分でした。信夫の視点から菊が描かれるので、はじめは違和感のある「その女」「その女の人」といった表現で記されているのが、「母が、信夫の涙をそっと拭ってくれた」という文章から「母」に変わってゆくところなど細かな良い指摘もありました。
また、実質的に親権が母親にでなく「家」にあった時代、苦しみ悩みながらも信仰者として人間として誠実な道を歩もうとする妻菊に、貞行が「節は曲げるなよ」と励ましながら、住居や実家との関係ほか心を尽くして対応しているところなどにも、貞行の深さと、綾子さんの緻密さを見ることができました。
次回は1月16日、「桜の下」の章を読みます。(文責 森下)
次回は1月16日(火)13時30分~15時30分に開催予定です。
第2火曜日は振替休館日のため、第3火曜日の開催となります。
『塩狩峠』「桜の下」の章を読み進めてまいります。
詳細は後日改めてお知らせをいたします。
今後の予定表や先月までの報告はこちらをご覧ください。
最新の情報は三浦綾子記念文学館公式サイトでご確認になるか、直接電話・メール・FAXにてお問い合わせをいただければ幸いです。
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