旭川では先月21日に初雪が観測され、雪の便りが届く季節となりました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
三浦綾子読書会 ゆっくり読む『塩狩峠』が11月14日(火)に開催されました。
タイトルのとおり三浦綾子の代表作『塩狩峠』(新潮文庫)を毎回少しずつ読み進める読書会です。
今月は「菊人形」の章を輪読して、感想や意見を交わしました。
講師の森下辰衛(三浦綾子記念文学館特別研究員)から報告が届きましたので、ご紹介いたします。
11月14日午後、文学館本館2階図書コーナーで、ゆっくり読む『塩狩峠』読書会が開催されました。雪の季節になりましたが、韓国からの日本人の方、川向こうの神居からの初めての方、上富良野からの方もおられて、11人で「菊人形」の章を読み、語り合いました。
祖母トセのしつけに危惧を感じた父貞行が信夫を団子坂の菊人形に連れ出したところ、妹待子に会う前半、後半ではそのことを知ったトセが激怒して脳溢血で急逝することになります。「菊人形」という章の題と母の「菊」という名前の関係なども意見が出ました。
漱石も『三四郎』で描いた団子坂の菊人形。千駄木に住んだ鴎外の観潮楼も近く、明治の文豪の香りと、製造が始まってほど経たないラムネなども出てくる楽しい章です。しかし、他方母恋しさから発したものでもある根本先生への思慕を禁止された信夫が、妹待子が父に甘える様子に衝撃と嫉妬を感じたり、心があるかぎり人間なのだと父貞行に教えられるところなど、作品全体に響いてゆく大事な要素も出ていました。
次回は12月12日、「母」の章を読みます。(文責 森下)
次回は12月12日(火)13時30分~15時30分に開催予定です。
『塩狩峠』「母」の章を読み進めてまいります。
詳細は後日改めてお知らせをいたします。
今後の予定表や先月までの報告はこちらをご覧ください。
最新の情報は三浦綾子記念文学館公式サイトでご確認になるか、直接電話・メール・FAXにてお問い合わせをいただければ幸いです。
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