オノマトペで楽しむ三浦綾子(95)“ ひそひそ”

は・ば・ぱ・ひゃ・びゃ行

もう汗ばむぐらい暑いことがあって、校庭の桜が満開だった。
四年生になった信夫は級長になった。
先生の仕事を手伝い、少しおくれて学校を出ると、一番大きな桜の木の下で、同級生が十人ほどかたまって何かひそひそと話し合っていた。
信夫が近づくと、みんなはちょっと顔を見合わせてから、信夫のために場所をひらいた。

三浦綾子 『塩狩峠』[桜の下]111より


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