みなさまお変わりございませんか。
三浦綾子読書会 ゆっくり読む『天北原野』が5月9日(火)に開催されました。
タイトルのとおり、三浦綾子の長編小説『天北原野』(新潮文庫)を毎回少しずつ読み進めています。今回より三回にわたり下巻「怒濤」の章を読んでまいります。
講師の森下辰衛(三浦綾子記念文学館特別研究員)から報告が届きましたので、ご紹介いたします。
5月9日午後、文学館本館2階図書コーナーで、ゆっくり読む『天北原野』読書会が開かれました。ここ数ヶ月、毎月新しいお客さんが参加されていますが、今回も市内から新しい男性が参加されました。その方も加えて8人で「怒濤」の章の一~六を読みました。
あき子の死から2年、時は昭和20年8月、いよいよソ連軍の越境侵攻直前から物語は始まります。朝早くあき子の墓掃除に来た貴乃が先に来て掃除をしている孝介を見て、声をかけずに帰ってゆくところは、この大河ドラマの白眉のシーンです。そこで貴乃が心の中で語る言葉「耐えなければいけないんだわ。わたしは人間だから」を巡って、いくつもの深い意見が出されました。そして、この日を8月6日広島に人類史上初めて原子爆弾が投下された日に設定した作者の意図にも思いを巡らせました。
次回は6月13日、「怒濤」の章の続き、空襲で焼かれる豊原の孝介と、ソ連軍の迫る敷香からの逃走を始めようとする完治が語られる七~十を読みます。
(文責 森下)
次回は三浦綾子記念文学館開館25周年の日・6月13日(火)13時30分~15時30分に開催予定です。
『天北原野』下巻 「怒濤」の章 七〜十を読み進めてまいります。
詳細は後日改めてお知らせをいたします。
ご不明点がございましたら、三浦綾子記念文学館までお問い合わせをいただければ幸いです。
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