オノマトペで楽しむ三浦綾子(89)“ひっそり”

は・ば・ぱ・ひゃ・びゃ行

が、恵理子の立つ、川一つ隔てたこの道には、いま、車はおろか、人影もない。
川に向かって、小ぎれいな住宅の、赤や青の屋根屋根が、途切れ勝ちにひっそりと並んでいるばかりだ。
川を境に、静と動の世界がある。
それが恵理子の心を惹く。

三浦綾子 『果て遠き丘』[春の日](一)5より


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