オノマトペで楽しむ三浦綾子(71)“すらり”

さ・ざ・しゃ・じゃ行

父が夜おそく客をつれてくることはない。梶棒がおろされ、前のほろが外されると、お高祖頭巾の女がすらりと降りたった。月の光を受けて、その女のぬれたような目が美しかった。車が去ると女は信夫の肩をかきいだいた。

三浦綾子 『塩狩峠』[母]7より


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