か・が・きゃ・ぎゃ行

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オノマトペで楽しむ三浦綾子(16)“きりっ”

あき子は、体を洗う手をとめて鏡の中の自分を見、きりっと唇を結んだ。利かん気のあき子がそこにいた。この顔が自分だとあき子は思う。あき子は、一つの決意を固めていた。 三浦綾子 『天北原野』[絃歌](三)より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(15)“きりっ”

(淋しくても、がまんしなければ……) 貴乃は、健康な赤い唇をきりっとかみしめる。 今日は孝介の第二の出発の日なのだ。 三浦綾子 『天北原野』[行く雲](一)より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(14)“きりっ”

岩吉たちの舟が近づくと、女の子たちが泣き出した。ギュツラフ夫人が、子供たちの舟に乗り移った。容閎がきりっと口を結んだまま、眉一つ動かさず、舟の中に突っ立っているのを、音吉は驚いて見た。 三浦綾子 『海嶺』[ロゴス](四)より 〈著作物の使用...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(13)“きりっ”

手の甲で涙を拭いながら、音吉は岩松を見た。きりっと結んだ岩松の唇が、かすかにふるえている。岩松は死んで行った仲間たちのことを考えていたのだ。 三浦綾子 『海嶺』[鷗](三)より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(12)“ぐいぐい”、“きりっ”

首をすくめながら、清志はふっと母を思い出した。母も痛いほどよく首をこすってくれたものだった。清志はまた泣きたくなった。しかし、きりっと口を一文字に閉じて、清志は窓から外を見た。 三浦綾子 『奈落の声』[三]より 〈著作物の使用について〉三浦...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(11)“ふっ”、“きりっ”

首をすくめながら、清志はふっと母を思い出した。母も痛いほどよく首をこすってくれたものだった。清志はまた泣きたくなった。しかし、きりっと口を一文字に閉じて、清志は窓から外を見た。 三浦綾子 『奈落の声』[三]より 〈著作物の使用について〉三浦...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(10)“きりっ”

三歳年上の姉の評によると、わたしはめったに笑顔を見せたことのない、無口で無愛想な子だったという。眉がうすく、口が必要以上にきりっとしまっていて、人の心を見透かすような目をしていたそうだ。 三浦綾子 『石ころのうた』[一]より 〈著作物の使用...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(9)“きりっ”

「一言で申し上げますと『いい先生』とより言い様がございません。きりっとして、冴えた先生でした。厳しいけれど暖かくて、大変慕われた先生でした。 三浦綾子 『愛の鬼才』[第十一章](二)より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(8)“きりっ”

〈……杉浦先生には男らしくあやまること。わたしはうちが清潔になったら帰るわ。あんたもきりっと清潔になりなさい〉 いく度も読み返した手紙を、一郎は折りたたんで、再びポケットに入れた。 三浦綾子 『積木の箱』[終章]より 〈著作物の使用について...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(7)“きりっ”、“じっ”

色の白い、御所人形のような愛らしい子供である。小さな赤い唇をきりっと結んで、流れに足をいれ、前こごみになって、じっと水面を見ているのが、学芸会に出ているような真剣さだ。 三浦綾子 『積木の箱』[坂道]より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(6)“どっか”、“きりっ”

そして男は、その屋台に上がりこみ、真ん中に敷かれた薄い座布団にどっかとあぐらをかく。元の地色もわからないような帆前掛をきりっと締め直し、男は並べた下駄を手に取って順に直していく。 三浦綾子 『銃口』[縁](一)より 〈著作物の使用について〉...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(5)“きりっ”

耕作は先頭に立って歩き出す。前のほうを女子組が行く。男子も女子も、ほとんどが着物だ。肩から斜めに弁当を背負う者、腰にきりっと弁当を結びつけている者、様々だ。 三浦綾子 『続泥流地帯』[深山峠](一)より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(4)“きりっ”

きりっとした眉の、どこか淋し気な横顔の男の人を見た時、わたしは正直いって、ママに嫉妬を感じた。わたしは咄嗟に車のナンバーに目を見やった。その番号を、わたしは頭に入れたのだ。 三浦綾子 『石の森』[第一章 燈のない部屋](一)より 〈著作物の...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(3)“きりっ”

「教えてくださいな」 待子は吉川のひざをゆすった。吉川はきりっと結んだ唇に人さし指を当てて、信夫にうなずいてみせた。 三浦綾子 『塩狩峠』[かくれんぼ]より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(2)“くるり”、“きりっ”

待子は目がくるりとした丸顔で色が白い。きりっとむすんだ口もとが生意気なのも愛らしかった。妹だと思うと信夫はうれしくて、わざとだまって待子の横をすりぬけようとした。 三浦綾子 『塩狩峠』[桜の下]より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光...
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オノマトペで楽しむ三浦綾子(1)“つくづく”、“きりっ”

信夫は今、鏡にむかってつくづくと自分の顔をみつめていた。形のよい円らな目、通った鼻筋、きりっとしまった厚くも薄くもない唇。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]5より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する...