か・が・きゃ・ぎゃ行

か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(120)“ げらげら”

ふじ子も、どうやらその母をまねているらしかった。「だめねえ。おにいさまも何かごあいさつをしてちょうだい」信夫と吉川はげらげら笑って逃げだした。 三浦綾子 『塩狩峠』[かくれんぼ]150、151、152より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(118)“ きちっ”

「でも、おかあさまはおばあさまのことを忘れているから、ごはんを上げないのではないのですよ」菊は信夫の前にきちっと坐った。今まで見たことのないようなきびしい菊の姿だった。 三浦綾子 『塩狩峠』[かくれんぼ]107、108より 〈著作物の使用に...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(109)“ くるり”

「こんにちは」その母親におくれて、外から元気よくはいってきた吉川の妹のふじ子はくるりと愛らしい目を信夫に向けた。待子と同じ年ごろである。 三浦綾子 『塩狩峠』[かくれんぼ]45、46より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(105)“ きちん”

「そうだなあ。学校の先生なんかいいな」信夫は根本芳子先生の白い顔を思い出した。学校の先生の方が、寺のお坊さまよりいいような気がした。学校の先生には、生徒たちも、親たちもきちんと立ちどまって礼をする。 三浦綾子 『塩狩峠』[かくれんぼ]15、...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(101)“ ぎくり”

集合場所である桜の木の下に近づくと、「誰だ」と、ふいに声がかかった。信夫はぎくりとした。 三浦綾子 『塩狩峠』[桜の下]188、189、190より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(80)“きりっ”“まじまじ”

「あら、ここはわたしの家よ」信夫をみて立ち上がった待子は、両手をひろげて通せんぼをした。口をきりっとしめて通せんぼをしている待子の顔を、信夫はまじまじとみた。 三浦綾子 『塩狩峠』[桜の下]2、3、4より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(78)“きっぱり”

「菊。去っていただきましょう」トセのきっぱりとした言葉に、菊は青ざめた。 三浦綾子 『塩狩峠』[母]120、121より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団法人三浦綾子記念文化財団」が...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(68)“がっくり”

「申し訳もございません」貞行が、がっくりと両手をついた。 三浦綾子 『塩狩峠』[菊人形]161、162より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団法人三浦綾子記念文化財団」が所有・管理し...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(62)“くるり”

「さあ、行きなさい。おかあさまが待っているよ」貞行に肩をおされて、女の子はしぶしぶと歩きだしたが、二、三歩いってふり返った。そして信夫をにらみつけるように、みつめたかと思うと、くるりと向き直ってかけていった。 三浦綾子 『塩狩峠』[菊人形]...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(60)“ぐっ”“しゅー”

(おばあさまはラ厶ネはおなかに悪いといっていたけれど……)しかし、一度でいいから、あの玉をぐっと指で押しこんで、シューと泡の吹きあがるラムネを飲んでみたいと、信夫はいくど思ったことだろう。 三浦綾子 『塩狩峠』[菊人形]52、53より 〈著...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(53)“きりり”

士族はえらいと当然のように思ってきた信夫である。それは雪は白い、火は熱いということと同じように、信夫には当然のことであった。(ほんとうに人間はみんな同じなのだろうか)信夫は唇をきりりとかみしめて枕に顔をふせていた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(49)“きりり”

「信夫っ! もう一度今の言葉を言ってみなさい」凜とした貞行の声に信夫は一瞬ためらったが、そのきりりときかん気に結ばれた唇がはっきりと開いた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]160、161より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(46)“きちん”

「いったい、どうしたというのだね」貞行はきちんと正座したままで、おだやかに言った。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]149、150より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団法人三浦綾子記念文...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(44)“くしゃくしゃ”

言いかけた六さんの言葉を信夫が鋭くさえぎった。「ちがう! ぼくがひとりで落ちたんだ!」信夫の言葉に六さんの顔がくしゃくしゃにくずれた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]134、135、136より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(40)“きっぱり”

「知らん」信夫はきっぱりとした口調で答えた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]85、86より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団法人三浦綾子記念文化財団」が所有・管理しております。著作物の...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(35)“こっくり”

「あら、永野さんはどうしました? 遊びに行かないんですか」信夫はだまって、こっくりとうなずいた。先生はおどろいて足早に近づいてきた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]55、56より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(34)“ぞろぞろ”“ぐずぐず”

翌日休み時間の鐘がなって、生徒たちはぞろぞろと外の運動場に遊びに出た。しかし信夫はぐずぐずと教室に残っていた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]54より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(31)“つくづく”“きちん”

信夫はつくづくと思ったものである。今も祖母がきちんとひざをそろえて信夫のそばに坐った時、信夫は何となく虎雄の母の姿を思い出した。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]28、29より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(30)“がたごと”

いつか信夫は六さんに連れられて、一度虎雄の家に遊びに行ったことがある。ガタゴト音のするどぶ板を踏んで、戸をあけるといきなり部屋があったのに信夫はおどろいた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]26より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(29)“がっしり”

祖母はがっしりとした体つきで、怒ると父の貞行よりずっと恐ろしい。だがだいたいにおいて信夫をかわいがってくれたから、信夫は祖母がきらいではなかった。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]16より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(28)“げっ”“ぽろぽろ”

信夫は口の中に指をさし入れて、のどちんこにさわろうとしてゲッと吐きそうになった。すると目に涙がにじんだかと思うと、涙がポロポロとこぼれてしまった。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]14より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(25)“きりっ”

小夜子は角屋の看板娘でした。姉のおかみは、小股の切れ上がった女で、きりっとした気性だが、小夜子はおとなしい、しかし芯のしっかりした女でした。 三浦綾子 『岩に立つ』[六 婚礼]より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(24)“きりっ”

きりっとしまっていた唇に、かすかな微笑が浮かんだ。苦い微笑であった。(もしわしが工作をしなければ……) 今頃、秀吉は奥州に兵を進めていたにちがいない。 三浦綾子 『千利休とその妻たち』[宗二打ち首](三)より 〈著作物の使用について〉三浦綾...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(23)“じっ”、“きりっ”

水銀灯に照らされたその少女を、修一はじっと観察した。ボーイッシュな短い髪、黒いスラックス、短い革かビニールの赤いコート。しかし、中学三年には見えない。少し浅黒いきりっとしまった顔だ。 三浦綾子 『裁きの家』[二十二]より 〈著作物の使用につ...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(22)“きりっ”

保郎はその日、礼拝が終わるや否や、会堂を飛び出して行った。ちょうど玄関にいた和子には目もくれず、口をきりっと結んで、ひどく不機嫌な顔をしていた。 三浦綾子 『ちいろば先生物語』[ミズスマシ](3)より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(21)“きりっ”

このコークスが火力があるの。冬には助かるの。でもね、なんぼ日本手拭いをきりっとかぶってコークス拾いに行っても、燃え殻の灰で髪の毛が真っ白になって、婆さまのような髪になるの。 三浦綾子 『母』[第三章 巣立ち]より 〈著作物の使用について〉三...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(20)“きりっ”

わたしは、きりっとした恋愛をしたいと思う。愛することと、すべてを簡単にゆるすこととは別だと思う。ここまで書いて、わたしは先生の待っている三越前に出かけることにした。 三浦綾子 『帰りこぬ風』[二章](五月三十日)より 〈著作物の使用について...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(19)“すべすべ”、“きりっ”

どうしてこんなに白くてすべすべした肌なのかと、不思議に思うほどだ。お湯をかけても肌がぬれない。志津代は日本手拭いをきりっと絞って、肉づきのよい母の背をこすり始める。 三浦綾子 『嵐吹く時も』[湯けむり](一)より 〈著作物の使用について〉三...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(18)“きりっ”、“ぎょっ”

血の気の失せた唇を、血のにじむほどにきりっと嚙んで、「今にわかる日が来るわ。兄さんの犯した罪に時効はないってことも」 ぎょっとするような、冷たい声だった。 三浦綾子 『天北原野』[水脈](一)より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(17)“きりっ”

三年前、貴乃は流産してから少し瘦せた。それがかえって貴乃を若く見せているのかも知れない。裾短にきりっと着物を着、たすきをかけて、今ホタテのフライを揚げ終わったところだ。 三浦綾子 『天北原野』[赤紙](一)より 〈著作物の使用について〉三浦...